令和7年9月21日に第282回となります見学会、「関ケ原合戦シリーズ@陣場を巡る」が開催されました。当日は晴天に恵まれ、参加者は会員20名、非会員2名の22名の盛況。今回もバスの運転は会員の市沢さんにお願いしました。
朝8時、JR静岡駅北口を出発し、東名高速道路、名神高速道路を経て、最初の見学地である、関ヶ原の戦いにおける徳川家康の最初の陣である桃配山に到着。整備された陣場跡で昼食をいただきました。
続いて訪れたのが関ヶ原古戦場記念館です。こちらではシアターで合戦の模様を体験し、関ヶ原古戦場や東西両軍の陣場を見渡せる屋上展望室で実際の距離感などを確認しました。記念館での見学の後は再びバスに乗車し、井伊直政・松平忠吉の陣跡と東首塚を見学、さらにバスで移動し、大谷吉継の陣を見学。こちらでは関ケ原合戦の勝敗を決定づけた小早川秀秋の布陣する松尾山を正面に見ることができ、大谷隊の緊張感を感じることができました。
ここからは全て徒歩での見学となります。続いて向かったのが西軍主力となった宇喜多秀家の陣となった南天満山、そして小西行長の布陣した北天満山。両天満山の麓にある陣所の碑を見学しました。ところがここで「こんな麓に布陣するものなのか?」という疑問が参加者の間で議論となり、やはり陣所は宇喜多勢、小西勢ともに山上に布陣していたはずとの見解にまとまり、これについては11月に実施予定の見学会に引き継ぐことになりました。こういった議論で盛り上がるのが当会見学会の魅力のひとつです。
続いて合戦終盤に敵中突破で薩摩に生還した島津義弘の陣を見学後、石田三成の布陣した笹尾山に到着しました。石田の陣所からの眺望は素晴らしく、合戦の状況が手に取るようにわかる場所に位置しており、善戦する天満山戦線に対し催促すれど動かぬ小早川の松尾山、島津の陣など、石田三成の自信と苛立ちの場であることがよくわかりました。
最後に黒田長政、竹中重門の布陣した狼煙場を見学し一路静岡へ。
今回の見学会は11月の一泊二日の見学会と2回シリーズで企画されたものであり、次回は山上に布陣した東西両軍の陣場を巡る予定となっております。また、議論となった天満山など、静岡古城研究会のお家芸ともいえるフィールドワークで関ケ原合戦の実像に迫っていきたいと考えております。 (報告:望月 徹)